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エヴァンゲリヲンとポストコロナ

 

最近、皆さん、お家にいることが多いせいか、テレビのワイドショー批判をよく聞きます。専門家でもないタレントが新型コロナウィルスのことについて、なぜ偉そうに語るのかが理解できぬ、時間の無駄だと。見なきゃいいのにね。

      

世の中は、エビデンス重視の方向に一気に傾いたような気がします。医師や学者等の専門家、いわゆる権威へのレスペクトが良くも悪くも世論として強調されている。専門家以外は語るなという風潮です。人の命に関わることですから科学的な裏付けが重視されるのは当然だとは思います。

      

世界はこれまで、ポストトゥルースの状況にありましたよね。まさに事実を軽視する社会でした。ある意味、広告の影響力が強い世界といってもいい。それは真実でなくても、感情に訴える力の強いものが勝つということです。その象徴が、トランプ大統領であり、ブレグジットだったと言えます。正しいかどうかは二の次だ――これはとても恐ろしいことだと私は感じていました。広告の世界にいても、もともとは科学少年だったのでね。

      

ポストトゥルースのアンチテーゼとして、新型コロナは現れたような気がしています。トゥルース(真実)の重みを神が改めて示されたのだと。スペイン風邪の時もそうです。世界が第一次大戦下の暴力的な状況の中で、神はウィルスを「使徒」として世界に派遣されたのではないか…。(妄想です。)

      

この日曜夜にNHKでエヴァンゲリヲンの特番がありました。エヴァファンの方々が、リモート撮影でアニメの魅力を熱く語り合っていた。彼らはエヴァの世界の専門家ですから、語る資格はあるでしょう。「使徒」についても様々な意見が交わされていました。

 

専門家とは一体何者でしょう。法律家、医療従事者、教師…国家資格が専門家の定義なのですか? ではエヴァの専門家は? 民主主義の国である以上、あらゆる人が意見を言ってもいい訳です。専門家じゃないというだけで、発言したその人を叩くことは、差別に繋がってはいないでしょうか。

      

今回の「#検察庁法改正案に抗議します」というツイッター炎上の根幹にも、似たようなことが見え隠れしているような気がします。言いたいことが言えなくなるような、今の雰囲気はかなり危ういと私は感じています…。

このブログが炎上しないことを祈りつつ。笑