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さだまさしと受験

 

高校受験の時でした。熊野町の家から、広島市千田町にある私立高校まで、朝早く父親が車を出して連れて行ってくれました。出発時間が早すぎたせいで、校門が開くまでの時間、近くの川土手に車を止めて待っていたのです。カーラジオを二人で黙って聞いていました。

 

その年に出たばかりのシングル、さだまさしの『天までとどけ』が流れてきたのを今でもよく覚えています。TVドラマの主題歌にも採用されていて、すでに何度か聞いたことのある曲でした。よく晴れたとても寒い朝のことです。

  

♪出逢いはいつでも 偶然の風の中

 きらめく君 僕の前に

 ゆるやかに立ち止まる

 

立ち止まりましたよ、試験が。まったく問題が解けませんでした。私立高校用の勉強のやり方があるのを、その時、初めて知りました。その高校の問題集を売っていることさえ知らなかった。中学校の先生に言われましたよ。「そりゃ、受からんわ」教えてくれよって感じですけどね。あんたが受けろって言うたんじゃろw

 

 『天までとどけ』を聞くと、今でもちょっと切ない気持ちになります。皆さんにも、聞くと当時のことが鮮やかによみがえる曲がきっとあると思います。デートの時にカーステレオ(この言い方も古い)から流れていたあの曲ですよ。ニヤニヤ。

 

ところで「私はさだまさしが好きです」と言うのには、「私は浜田省吾が好きです」や「私はユーミンが好きです」というより「告白」っぽいパワーがいる。胸襟を開く?という感じでしょうか。いいえ、他意はございません。笑

 

ある夏フェスに、さださんが出演された時、最初に「この盛り上がった熱い空気を、俺の歌で凍らせる」と宣言されたのが、とても印象的でした。噺家もされているだけあって、しゃべりもうまいですよね。

  

――世界を凍らせることのできる歌――スゴイです、さだワールド。自分の世界をホントに分かってますよね。このブログも何か格好つけてるというか、鼻につくところがちょっとある。分かってるんですよ、私も。あはは。