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メロンとミックスゼリー

今朝、北海道三笠市から新鮮なメロンが届きました。ふるさと納税の返礼品です。先日、長崎県南島原市からメロンが着いたばかり。両方のメロンは本来離れた日程で、それぞれが届くはずだったのですが、この天候不順で、ほぼ同時に届いたというわけです。

 

晩春に届くものと、真夏に届くものが、重なってしまった。合わせて4個の大玉マスクメロン。どうやって食べたものでしょうか? 人に差し上げるのも、何かもったいない気がする。かなりの吝嗇ですね、貧乏性というより。笑

 

メロンと言えば、もともと高価なイメージ。小さな頃は、メロン型をした緑色のアイスクリームか、オブラートに包まれたメロン味のミックスゼリーが、私のメロン経験? のほとんどでした。本物のマスクメロンは、なかなか食べることがなかった。

 

科学者の中谷宇吉郎さんの随筆に『寺田先生と銀座』があります。銀座の千疋屋で、マスクメロンというものを、生まれて初めて寺田寅彦先生からご馳走になる。高貴なものは下品に食べてはいけないと思って、中谷さんは柔らかい部分をかなり残した。

 

ところが寺田先生は、皮に近いところまで削りとって食べていく。残したメロンの乗った皿を見て「君は、メロンは嫌いですか?」と聞かれたので、あわてて「いいえ」と言って、また残りのところを食べた…という他愛のない話です。

 

でも、分かりますよ、その気持ち。人間誰しも、自分を上品に見せたいものです。初デートの時の女の子もそうでしょう? 特に相手が偉い方だったりするとねー。社長に連れていかれた寿司屋(もちろん回らない)で、遠慮して3貫くらいしか食べなかったりして。

 

そんなイイかっこをしたい若い頃も、もうかなり昔です。今は、残り少ない時間に、少しでもイイものを食べたくて、返礼品にマスクメロンを4つも選んでしまうのです。ミックスゼリーのお菓子も、幼い頃にメロンばかり選んで食べ過ぎたせいか、メロン味だけが嫌いです。