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TVドラマと手塚治虫

手塚治虫オフィシャルサイトより
手塚治虫オフィシャルサイトより

漫画原作のTVドラマのヒットが続いています。佐藤健さん演じる外科医のドSっぷりに魅了された『恋はつづくよどこまでも』や、大森南朋さんのオジサン家政婦に嫉妬した『私の家政夫ナギサさん』も漫画が原作です。

 

漫画が原作でないと、あのストーリーは描けない気もします。時代がそうさせているのか、多くの才能が漫画・アニメのコンテンツに流れている。日本のアニメは、世界に冠たる強大なカルチャーに育ちましたね。

 

僕らの時代、漫画のカリスマは、やはり手塚治虫です。藤子不二雄も石ノ森章太郎も赤塚不二夫も、みんな手塚さんの弟子たちです。今の日本の漫画・アニメ文化の源泉が、手塚治虫にあることを否定する人はいないでしょう。

 

今は漫画をあまり読まない私も、手塚作品にはたくさん影響を受けました。転勤引越が重なり、蔵書の多くを処分してきましたが、文庫版の『火の鳥』と『ブッダ』は捨てられなかった。

 

実家に置いてある『ブラックジャック』が、多くの名作の中で、最も感銘を受けた作品です。高校生の時、本気で医者になろうと思ったこともありました。2週間くらいで諦めましたが。笑

 

人間いくら努力してもなれないものは必ずあります。早めに気づいて本当によかった。諦めきれずに、お医者さんごっこが好きな変態サラリーマンにでもなったら困りますからねーw

 

『ブラックジャック』について語りだしたら切りがありません。ストーリーの中で、何度か現れる言葉が、この作品の素晴らしさを象徴しています。

 

ブラックジャックの恩師である本間丈太郎が臨終の時に語った言葉です――人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね――とても深い。

 

そして、最後にWikipediaで拾った、やなせたかしさんのコメントを紹介しておきます。

 

「ぼくが学んだのは、手塚治虫の人生に対する誠実さである。才能は努力しても、とてもかなわないが、誠実であることはいくらかその気になれば可能である。もちろん遠く及ばないにしても、いくらかは近づける。手塚治虫氏はその意味でぼくの人生の師匠である。」 (江戸東京博物館「手塚治虫展」2009年より)


手塚治虫オフィシャルサイトより
手塚治虫オフィシャルサイトより