· 

クリスマスと女王様

映画『ボヘミアン・ラプソディ』オフィシャルサイトより
映画『ボヘミアン・ラプソディ』オフィシャルサイトより

私の世代では、中学時代に第1次ロックブームがあった。女子に圧倒的に人気があったのは英国エディンバラ出身のポップ・ロックバンド「ベイ・シティ・ローラーズ」。バンドというよりアイドルグループというべきか。ヒット曲のタイトルは『二人だけのデート』。笑

 

一方で熱烈な「KISSアーミー」もいた。コープス・ペイント(白塗り)と奇抜な衣装で突然現れたアメリカン・ロックバンド「KISS」。巨大なロゴを中心にした大規模なステージセットで、火を吐くパイロテクニクス(火工術)を多用して目立ちまくる。

 

音楽に詳しい輩は、ハードロックの正統派として「レッド・ツェッペリン」や「ディープ・パープル」を支持。テレビでの演奏を拒否する態度やジミー・ペイジの超絶ギターテクニックを称賛し、「ベイ・シティ・ローラーズ」好きの女子や「KISSアーミー」をロックの神髄が分からぬ素人だと嘆く。

 

私はと言えば、幼い頃から「ビートルズ」音楽の中で育ったロック正統派を自認するうぬぼれ屋で、旋律の美しさや世界観の多様性において「クイーン」こそが本物だと、同級生のロック談義には加わることなく心の中でほくそ笑んでいる、まったくもって嫌な中学生であった。

 

今でも私が最高のロックバンドと思う「クイーン」のフレディ・マーキュリーの生涯を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観たのは今年のコロナ禍ことだ。日本上映開始は2018年末。高松から広島に転勤する直前で多忙な時期でもあったが、フレディを演じるラミ・マレックが何かしら気に食わず、観ることなく過ごしてしまった。

 

先日コロナ禍で自粛するなか、アマゾン・プライムでたまたま目に留まった『ボヘミアン・ラプソディ』を暇つぶしに観たのだが、完全にハマってしまった。もともとクイーン大好き人間(女王様マニアの方ではないw)だから当然の結果なのかもしれないが、今年のクリスマス音楽はクイーンざんまいだった。

 

映画のエンディング「ライブ・エイド」の名シーンは、YOUTUBEで本物のライブ映像(1985年)とじっくり見比べてみた。ラミ・マレックがこの作品でアカデミー主演男優賞を受賞するのも当然の熱演だ。フレディの細かな動きまで完璧に再現している。足がちと短いのはご愛嬌。2年遅れで映画を観たことをかなり後悔した。

 

やはりヒット映画はオンタイムで見ないと駄目だな。その時の空気感が共有できない。そう書きつつ、まだ『鬼滅の刃』を見に行っていない。このコロナ禍の映画館が怖くてね。昨日広島の新規感染者数は141人。当分、自粛は続きそうだ。泣