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雪とストーブ

雪が降っています。広島県庄原市では積雪がもう1メートルを超えているようです。東日本の人から見ると広島は南国ですが、実は県北にはスキー場がたくさんあって、ブームの頃は九州の福岡辺りから多くのスキー客が訪れていました。

 

コロナ禍で緊急事態宣言が出されるなか、北陸や東北では雪害で大変なことになっています。新潟で大規模な停電があったりして、あんな寒いところでヒーターが機能しなくなるなんて、想像しただけでも恐ろしい。泣

 

雪の物語と言えば、最近ならディズニーの『アナ雪』でしょう。僕らが子供の頃は、昔話の『雪女』か、アンデルセンの『雪の女王』が有名だったのではないでしょうか。

 

『雪女』の伝説は様々ありますが、男に冷たい息を吹きかけて凍死させたり、男の精を吸いつくして殺す妖怪としては共通していますよね。

 

『雪の女王』の中で、女王は悪役としてちょっと出てくるだけです。しかし、冷たさや冷酷さを象徴する存在として、ただの女王ではなく「雪」の女王である必要があります。

 

「雪男」じゃあ、ヒバゴンみたいな怪獣になるし、「雪の王様」では毛むくじゃらで脂肪をまとったオジサンになって、全然ダメです。残酷で美しいものの表象としての女。こわーい。けど魅了される。女性の本質を表わしているような…。

 

さて、世の女性に怒られそうなので、閑話休題。私の中では、アンデルセンの雪の物語と言えば『雪だるま』です。皆さん、読んだことありますよね。覚えていますか? 知りませんか?

 

ストーブに憧れる「雪だるま」の話です。――男の子が一生懸命作った雪だるまには、命が宿ります。雪だるまは、何故かストーブに恋焦がれるのですが、近づけば自分が溶けてしまう。ジレンマです。

 

ある暖かい朝、雪だるまが溶けてしまった後に、ストーブの「火かき棒」が残っていました。雪だるまの芯には火かき棒が使われていたので、ストーブと一緒になりたかったんだ――という話です。

 

今は、火かき棒を使うような石炭のストーブは、あまりないと思います。だから、この切ない童話も教育現場で流通していないかもしれせんね。私は大好きだったんですけど。「火かき棒」は、それからずっとストーブと一緒にいられた訳ですから。

 

我々男子も、お母さんから産まれた以上、女の「火かき棒」が埋められているようなものでしょう。じゃないと、あんな冷酷で恐ろしい生き物に恋をしたり、一緒に暮らそうとは思いませんからね。あー怖い怖い。笑