· 

オリンピックと猫

オリンピックで日本の金メダル獲得が相次いでいます。始まる前はあれほど開催に反対していた人たちも今は口をつぐんでいる。日本の一部の知識人のポリシーのなさにはいつも驚かされます。彼らの意見は、世論に流されているだけとしか思えません。

 

日本選手団の活躍が今ほどでなく、全く振るわなかったとしたら、五輪だけにきっと輪をかけてオリンピック開催批判をエスカレートさせたのでしょう。そんなつまらぬ人種と違い、トップアスリートたちが真摯に試合に取り組む姿勢には心を打たれるものがあります。

 

♪風が吹けば 歌が流れる 口ずさもう かなたへ向けて 

 君の夢よ 叶えと願う あふれ出す ラル ラリ ラ 

 

NHKの放送でこのメロディが流れると、さらなる選手の活躍を期待してワクワクします。作詞・作曲は米津玄師さん。圧倒的な才能ですよね。歌は嵐。彼らは昨年末で解散してしまいましたが、それぞれMCや五輪レポーターとしてピンで活躍していて素晴らしい。

 

「ラル ラリ ラ」の使い方が、まるで宮沢賢治の童話のようで素敵です。そんな感動的な名曲なのですが、世間のSNSでは「♪風が吹けば 桶屋が儲かる~」とオヤジギャグを口ずさんでいる方々のなんと多いことか。恥ずかしい…。さて、このことわざの意味を知っていますか?

 

――風が吹くと砂ぼこりがたって、目に入り盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てようとするから、三味線に張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとネズミが増え、ネズミは桶をかじるので、最終的には桶屋がもうかって喜ぶ――

 

巡り巡って全然関係ないと思われるところに影響が出ることの例えに使われる表現ですよね。

 

コロナ禍になって、まさに風が吹いて桶屋が儲かる的なことがたくさんありました。たこ焼き器やホットケーキ粉が売れたというのは有名な話です。コロナのせいで小学校が休校になり、子供にお家でおとなしく過ごしてもらうために、たこ焼きやホットケーキを家族で作るという流れです。

 

他にも分かりやすいところでは、リモートワーク下の運動不足でダイエットのためにオートミールが売れました。美容整形もやたらと増えたし、ミシンは前年比300%ほど販売を伸ばしたらしい。さらにはべビー用品が10カ月後に売れ出すだろうとか下品な憶測まで…。

 

驚いたのは、外出制限で自宅にこもる人々が「ペットを飼いたい」と思うようになり、次々と猫や犬の引き取りを動物保護施設に申し出て、殺処分がゼロになったというアメリカの話です。猫が殺される日本と違い、猫が救われるところがとてもチャーミングですねw

 

このことわざの成り立ちには他の説もあって、「風が吹くと疫病のウイルスが流行って遺体が増える。すると棺桶が必要となり、桶屋が儲かる」というのもあります。こちらの方がコロナ渦の今となってはリアリティがあるように思われます。

 

再びコロナ感染が急拡大しています。東京では1日の感染者が連日3,000名を超えている。「緊急事態宣言」の対象地域に首都圏3県と大阪を加える決定がありました。期限は8月31日まで。「風が吹いても棺桶屋が儲からない」ように、ここは今一度我慢の1ヶ月です。