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くじらとスナメリ

道の駅「センザキッチン」にあるくじらのモニュメント
道の駅「センザキッチン」にあるくじらのモニュメント

先週、仕事で山口県長門市に行ってきました。長門市、どの辺か分かりますか? 東を松下村塾で有名な萩市、西を関門海峡のある下関市に挟まれたところにあります。

 

日本海に浸食された独特の地形の海岸線をもつ風光明媚でとても良い所です。平地が少ないところから最近では「海が望める棚田」で人気ですが、知名度は正直いまいちです。

 

江戸時代にはこの辺りは捕鯨基地として潤っていたようです。仙崎港にある道の駅「センザキッチン」に行くと、大きなくじらのモニュメントが迎えてくれます。

 

詩『こだまでしょうか』で有名な金子みすゞは、仙崎の生まれです。『お魚』『大漁』『漁師の子の唄』『波』など海に関わる多くの詩を残したのも良く理解できます。

 

――いまは鯨はもう寄らぬ、

浦は貧乏(びんぼ)になりました。――

『鯨捕り』

 

大正の頃に書かれた『鯨捕り』という詩で、金子は仙崎の衰退を詠んでいます。古式捕鯨が姿を消してすでに100年以上が経ちましたが、当時の漁師は命懸けでくじらを捕ったと言います。

 

1962年までは国民一人当たりの食肉供給量ではくじらが、牛、豚、鶏を上回っていたとか。1970年代に入って欧米を中心に反捕鯨運動が起こり、くじらの供給量は年々減少していきました。

 

僕らが幼い頃は、くじら肉は牛肉に比べて安いものでした。学校給食にも頻繁にくじら料理が出たものです。そんなくじらも今はもう高級品。なかなか口にしなくなりましたね。

 

捕鯨は、なかなか難しい問題です。あまり語るべき知識もないので今日はこの辺りで。ちなみに瀬戸内海でナメクジラとも呼ばれるスナメリは、れっきとしたイルカです。笑