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怪我とアルコールと私 〜136回〜

アルコールを飲めなくなって1年半近くが経ちます。自転車で落車し折れた鎖骨をつないでいたプレートの抜釘手術を去年の4月末に受けてから、何故か異常に酒酔いがひどくなったのです。

 

コップ半分のビールで酔ってしまい、顔が真っ赤に染まる。心臓はバクバクし、それ以上飲むと頭が痛くなる。それまでは普通に飲めていたのですけどね。(何が普通かは知らんけど。)

 

主治医に聞いても「体質が変わったのでしょう」と言うだけ。妻は「一生分飲んだんだからもうイイじゃない」と私を尻目に缶酎ハイを1人で楽しんでいます。私が酒を飲めなくなった分、妻の酒量が増えたような気もする。汗

 

広告業界で営業をやっていたため、得意先やメディアとの付合いもあり、毎晩酒を飲むのが習慣になっていました。最近、コロナ禍も落ち着き、会食もほぼ通常通り行われつつあります。

 

それまで普通に飲んでいた訳ですから、急に飲めなくなった私を、周りのみんなは心配してくれます。「体調が悪いの?」「何か病気なの?」あげくに「医者に止められたのですね」と言われる。

 

正直、何故飲めなくなったかを説明するのが面倒くさいのです。理由もちゃんと分からんし。初めて酒席を共にする方には「飲めない体質」と言うだけで理解してもらえる。説明が簡単でありがたい。

 

人は酒を酌み交わして仲良くなるというのは確かですね。みんなが酔っ払って盛り上がっているのに1人冷静でいるのはちと辛い。ただこれまで酔っ払って忘れてしまうような些細な失言をしっかり記憶できるというメリットがあります。

 

居酒屋で若者男女が盛り上がっているテーブルの隣や、カウンター席でおネーチャンを口説いているオジサンの横に座ると、ここでは書けないような恥ずかしいやり取りに出会します。

 

会社関係の会食は、なかなか面白い。皆さん酔ってくると、これまでと変わらず私も酔っ払っているものと勘違いし、会社への様々な苦言やひどい中傷を繰り返すお方もいらっしゃいます。(烏龍茶もウーロンハイに見えるようで。)

 

先日、そんな酔っ払いたちとの会話の中で、頭の良い女性が急に私の顔をじっと見つめ「矢野さんは今、酔ってないですよね。真剣にそう思われてるってことですよね」と素に戻られました。

 

世の中、こんな冷静な方ばかりでは面白くありません。酒は飲めなくても引き続き、酒席に参加し酔っ払いの失言や暴言を、ずっと記憶に残し、忘れた頃に思い出させてやろうと思います。

 

コンプライアンスの厳しい昨今、私との酒席では十分お気をつけください。酒が飲めることへの「嫉妬」が私の心の底にしっかりと横たわっているのです。あまり調子よく飲んでると痛い目にあいますよ。笑